故に世の中おもしろい(魅惑の町中華!)

魅惑の町中華!

 
「町中華」と書いて「まちちゅうか」と読む。昭和の面影を残す庶民的な中華料理店のことである。店主の高齢化や後継者不足、チェーン店の台頭など荒波にさらされる一方で、近年、ブームの兆しを見せているという。

店を訪ねる「町中華探検隊」の隊長でライターの北尾トロさんによると定義はこんな感じだ。

「1千円以内で満腹になれ、麺類、飯類、定食など多彩な味を提供する。個人経営が多く、マニュアルは存在しない」

どの店にも共通するのは「ゆるさ」だろう。そば屋や洋食店の味とは微妙に違うカツ丼やオムライス、麺類とのセットにもなるカレーライスがメニューに並んでいることで一気に町中華っぽくなる。これらを町中華の「三種の神器」と北尾さんたちは呼んでいる。

厨房の前にカウンター席があれば座ってほしい。そこは劇場で言えば「桟敷席」。中華鍋を振る音や燃え上がる炎は、まさに客をうならせる役者といえる。

開店して半数ほどの店が2年以内に廃業してしまうというのが飲食業界の現実。一方で、長年続く町中華は「勝ち組」と言えるのではないか。強みは地元客や常連に支えられていることだろう。オシャレなカフェやレストランに飽きてしまった人たちが目を向け始めている面もある。

記者の最近のマイブームは町中華で飲むこと。タレントの玉袋筋太郎さんが出演するBS番組「町中華で飲(や)ろうぜ」も近年人気を呼んでいる。人間くさい雑居空間に身をまかせ、グラスを傾ける。

朝日新聞編集委員 小泉 信一




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